2代目家具職人のジレンマに学ぶ、生き残るビジネスの形

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この前、家からかなり離れた場所にある家具職人の工房に行きました。

山の中、草原や林に囲まれた環境にあるとても素晴らしい工房で、手作りの匂いがプンプン。

僕はそこで2代目家具職人に出会いました。

2代目家具職人

その人の父親はある程度名の売れた職人らしいです。
(僕は知りませんでしたが)

名のある父親を持つ2代目の年齢は35歳くらい。

独立して7年くらいだそうです。 

彼の作る家具を見せてもらいましたが、とても素晴らしい。

 

とてもモダンで無駄を削ぎ落したデザイン。

直線と丸みのバランスがとてもいい。

小さな子どもがいるオシャレな若い家族に人気がありそう。
ワーゲンに乗ってそうな。

で、聞いてみました。

売れてるんですか?と。

売れているか?と聞いてみた

すると、売れてますよ、と。

なんでも父親が行っている大型百貨店での

展示会で在庫をさばいているらしいです。

 

売り場を間借りして売上の一部をマージンとして

百貨店側に払うんですね。

 

へー、それで売れるんだ、へー。 

と思いましたが、ちょっとしっくり来ない。

コンテンツとターゲットとの矛盾

果たして有名百貨店の客層はワーゲンに乗ってくる若い夫婦なのか?

金持ちの高齢者が中心じゃないのか?

2台目の家具はマーケットとマッチしてるのか?

その辺の考えをぶつけてみると、百貨店の客層用に高齢者が好むデザインの家具を作って販売しているとのこと。

マーケターの悪い癖

・・・2代目、

そのに君の熱量は存在しているのか? どう見ても、百貨店で売っている家具は君の創りたい方向性と違うよね?

・・・と心の中で言った後に

マーケターの悪い癖が。

「作りたい家具を作って、ウェブで売ればいいじゃないですか!手伝いますよ!」

「でも、一緒にやるからには月で最低20台は在庫が欲しいところですねー。」

「あと、価格が高過ぎるからターゲット向けに廉価版を作るべきですねー。」

すると、2代目、

「職人として、少数丁寧に、作りたいんです。」と。

2代目家具職人のジレンマ

2代目は今、生活のために作りたくないデザインの家具を作り、お金を稼いでいる。

本当に作りたい家具はニーズはあるもののターゲットの収入と価格が合わずあまり売れない。

だからといって、価格を抑えたチープな家具は作りたくない。

2代目家具職人のジレンマがここに。 

せっかくいいリソースが揃っているのに、

信念が邪魔をしてなかなか進めない。

そんな印象を受けました。

 

もしかしたら百貨店でガッポリかもしれないけど、それなら2極で自分の作りたいターゲット向けの家具で勝負すればいいのに。

もったいない話。(いいマーケティングフローだったのになぁ・・・。)

  

それでは、また。

 

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