
モテるマーケティング代表の佐藤です。
以前は東京や大阪のクライアントさんばかりでしたが、現在僕は宮崎の企業さんを相手に仕事をしています。
ローカルのマーケティング戦略は、東京と比べると規模感もターゲット層もエリアも大きく違います。
リスティング広告の情報はネットに溢れています。
しかし、これらの情報は主に都市圏をベースに書かれていることが多いので、ローカル企業がこの情報を鵜呑みにしてしまうと上手くいかない場合も出てきます。
そこで今回、ローカル企業・中小企業のためのリスティング広告の戦略をまとめました。
基本的な内容ではありますが、この内容を頭に入れて運用していくことで、低コストで成果を最大化させるリスティング広告運用が可能になります。
目次
リスティング広告の基本概念
まずは、リスティング広告の基本的な概念を改めて見てみましょう。
✓1クリックにお金を払う広告である
リスティング広告はほとんどの場合、1クリックに対しコストが発生する広告形態です。
1クリックあたりのコスト(クリック単価)が10円で100クリックされれば1,000円です。
このクリック単価はキーワードによって変わります。
一般的に、キーワードの需要が大きいビッグワードと呼ばれるキーワード(例/車 買取)や、競合他社が多いジャンルのキーワードは単価が高いと言えます。
逆に、競合が少なく、検索需要も少ないキーワードは単価が低いと言えます。
単価が高ければ予算あたりのクリック数(Webサイトへの流入数)は少なく、単価が安ければ多くなります。
しかし、検索需要が低い単価が安いキーワードは検索数自体が少ないのでクリック自体が出ないリスクもあります。
✓検索に連動する広告である
GoogleやYahooで検索をした時に検索結果の上部、右側に出てくるものがリスティング広告です。
(検索連動型広告)
ユーザーによる検索(キーワード)に連動して広告が出るため、ユーザーのニーズに近い広告を出すことが出来ます。
言い換えると、ユーザーが求めている情報を与えることが出来ます。
結果、効率的に自社の見込顧客からのサイト流入を増やすことが出来ます。
✓ユーザー行動に連動する広告である
検索連動型以外にも広告を出す方法があります。
ディスプレイネットワーク広告と呼ばれる広告ですが、主に、サイトコンテンツに連動した形の広告(コンテンツ連動型)、ユーザーの興味関心に連動した広告(インタレストマッチ型)、自社サイトに訪れたことのあるユーザーに広告を出すリマーケティング型の広告などがあります。
これらの広告ではテキスト形式の広告以外に、バナー画像も使えます。
テキスト広告に比べ、クリック率が低い、クリック単価が安い、などの特徴があります。
テキスト広告と配信の仕組みも掲載場所も違うので、目的を分けて、それぞれしっかり戦略を立てる必要があります。
✓その他の広告
テキスト広告、ディスプレイネットワーク広告以外の広告配信方法としは、Youtubeで動画広告を配信できるTrueview広告なども存在します。
最近ではYahooのリスティング広告アカウントでツイッターに広告が配信できるようになりました。
いろいろな広告配信手法がある中で、自社の目的に合わせた広告配信手法の選択と、それぞれの特性に合わせた広告運用が必要になってきます。
リスティング広告のコスト
✓キーワードごとにクリック単価は違う
先程も少し述べましたが、ビッグワードとミドルワード、スモールワードによってクリック単価は大きく変わります。
10円以下〜1000円以上まで大きな幅があります。
自社のサービスのメインキーワードがどれくらいのクリック単価なのか?
GoogleAdWordsのキーワードプランナーなどで事前に調べておきましょう。
✓クリックごとに単価は変わる
「平均クリック単価」という指標があります。
これは、一定のクリックあたりの単価の平均値です。
例えば、1クリック目が10円、2クリック目が20円であれば・・・2クリックの平均クリック単価は15円です。
このように、同じキーワードであっても、リスティング広告のクリック単価はバラつきがあります。
どの検索クエリのときにクリック単価が高いのか、安いのか?
他にも、時間帯や曜日、広告種類でもクリック単価は変動するので、平均クリック単価だけでなく、それぞれの条件下でのクリック単価の把握も重要です。
✓無駄なコストを使っていないか?を意識する
リスティング広告の大きな課題、「コストの圧縮」
10万円の予算で10件のCV(コンバージョン)が発生していれば、1CVあたりのコストは10,000円です。
一方、同じ予算で20件のCVが取れる、もしくは半分の5万円予算で同じ10件のCVが取れれば、1CVあたりのコストは5,000になります。
つまり、費用対効果が2倍になる計算です。
この状態を実現するには、まず、無駄なコストの削減です。
クリック(コスト)だけ出てCVが取れていないキャンペーンや広告グループ、キーワード、それぞれのレベルで無駄なコストが発生していないか?常に目を光らせておきましょう。
もちろん、他にも費用対効果を上げる方法はあります。
LPやエントリーフォームの改善やマーケティングフローの見直しなど。
しかし、リスティング広告に限って言うと、この無駄コストの削減が費用対効果の改善の第一歩です。
ターゲットはどこにいるのか?
✓商圏、エリアを絞り込む
ローカルのリスティング広告ではエリアの絞り込みが重要になります。
どのエリアにどれだけの広告を打つのか?
コストバランスやキーワードの選定、広告文の調整などを細かく分けて行う必要があります。
たとえば、エリアAには6割の予算を割いて、この広告文をこの時間帯に配信する、エリアBには予算の4割を割いて、この広告文を使う・・・などなど。
この調整を行うには実数から導き出した数値根拠が必要になります。
このエリアごとの細かい調整に加え、ABテストによる数値検証を行えば、無駄なコストを排除できます。
業種によっては途方も無い作業工程になるかもしれませんが・・・、リスティング広告において細かいチューニングは必須になります。
✓地域だけではなく「面」を意識する
どの地域にどの広告を配信するのかも大事ですが、同時に掲載する「面」にも気を使う必要があります。
その地域のユーザーはPCを使うのか?スマホを使うのか?
ターゲットの年齢や商材による人種の違いにもよりますが、この掲載面(デバイス)別の数値テストも必要です。
テストに関してですが、リスティング広告に限らず、売り手が予想したことはだいたいハズレます。
予想に頼らず、実数を出せるテストの実施はマストで行う必要があります。
キーワード戦略
✓部分一致→フレーズ一致→完全一致
通常であれば、ユーザーが検索するであろうキーワードを抽出し、掛け合わせのパターンを設定、そこからキーワードを作っていくと思います。
それも必要ですが、まずは、ビッグ〜ミドルキーワードを部分一致で回す→検索クエリを抽出→キーワードを作成し、フレーズ一致or完全一致で登録、の流れもオススメです。
大きめのキーワードの部分一致クエリからキーワードを準備することで、無駄なキーワードの生成を防ぐことが出来ます。
初期にコストをある程度投下する必要がありますが、ムダのないキーワード設定が可能になります。
管理が煩雑になるかもしれませんが、、、ここは努力です。
✓口語キーワードを忘れずに
検索クエリからキーワードを準備する際は抜けることはないと思いますが、最近は口語での検索が増えてきています。
きっとスマホの音声検索からの検索が増えているからではないでしょうか。
「車 買取」の場合は「車を売りたい」「車を高く買ってくれるところ」など、口語形式の検索ワードも忘れずに入れておきましょう。
広告文でユーザーの悩みを代弁する
✓売り手サイドの言葉を使わない
広告文の作成でよくある間違いとして、売り手サイドの言葉を使ってしまう、ということがあります。
顧客が求めていない、ただの自慢を広告文に載せたり、浸透していない商品名をデカく入れたり、漠然とした表現をしていたり・・・
いろいろと注意すべき点はありますが、その間違いを防ぐいちばんの方法はABテストです。
広告分を2つ作り、それぞれ均等なボリュームで配信し、数値を検証する。
やはり手間はかかりますが、テストすることが効果改善への近道です。
✓刺さるワードは顧客の中にある
なかなかいい広告文が書けない、思いつかない・・・そんなときのおすすめの方法。
お客様の声を見なおしてみましょう。
自社でお客様の声やアンケートを取っていない時は、競合他社やAmazon、楽天などのレビューを参照する。
それも見つからない時は、Yahoo知恵袋やブログなどを探す。
顧客のリアルな声のなかに「刺さるワード」が存在しています。
言い換えると、あなたの頭の中には顧客に刺さるワードは存在していません。
顧客の生の声を広告文に入れましょう。
最低限の予算で最大の効果を得るには?
✓クリック数ではなくCV数
リスティング広告の目的はクリック数の多さではなく、CV数の多さです。
つまり、広告が問い合わせ、引いては売上に直結しているかどうかが最終的な指標になります。
クリック数だけ多くても、CVに繋がっていなければ、ただのコスト。
CV数を伸ばすためのリスティング広告運用を心がける必要があります。
クリックだけ出ていてCVに繋がっていないキーワードは露出を抑えるか止めるかなどして、CVの取れているキーワードに予算を寄せていきましょう。
✓クリック率ではなくCV率
これも上記と同じ考え方ですが、広告文を工夫してクリック率を上げることだけにフォーカスするのではなく、その先のCV率を意識したテスト・検証・改善を行っていきましょう。
広い範囲のユーザーからの流入を獲得するのではなく、商品を買ってくれるユーザーのクリックを集めるという考え方です。
何のためのリスティング広告なのか?
そのことを常に念頭に置いて運用をしていく必要があります。
ローカル・中小企業のリスティング広告のコツまとめ
✓限られたコストに対する利益最大化を目指す
大事なのはやはり「無駄コストの圧縮」に尽きると感じます。
顧客を定め、商圏を設定し、各指標を改善していきまながらコストを圧縮していく。
時間もかかり、労力もかかると思います。
しかし、それだけのリターンは必ずあります。
リスティング広告の基本であるPDCAサイクルを回し続け、テストし続けること。
1クリックの大事さを意識することが大事です。